以前「UFOキャッチャーの景品が本物の拳銃!?トイガン買取専門店が解説する、合法トイガンと違法トイガンの見分け方」で「蓄圧式カートリッジ」という言葉を出しました。
先に言っておくと、実は蓄圧式カートリッジという仕組み自体は違法ではないのです。
かつて蓄圧式カートリッジを使用する違法なエアガンあったというのが正しいでしょう。
そもそもこの言葉自体、始めて聞いたという人も多いようなので、今回ちょっと深堀りしてみることにしました。
そもそも、蓄圧式カートリッジとは?
蓄圧式カートリッジはリボルバータイプなどのガスガン用として考案されたもので、エアガンの発射に関する機能を全てカートリッジに集約したものです。
ガン本体は蓄圧式カートリッジのおしりかどこかを押すだけで良いという仕組みです。
使用方法は、現在のマルシンXカートリッジのように先端にBB弾を込め、後方からマガジンのようにガスを注入し、リボルバーのシリンダーなどに収めるという手順になります。

これだけ聞くと「なにそれ良いじゃん!欲しい!」「え?いったいどこが違法なんだ?」と思われるかもしれません。
では、どうして多くの蓄圧式カートリッジを使用したエアガンが規制の対象になったのか、歴史を紐解いていきましょう。
違法とされた蓄圧式カートリッジ使用エアガンたち
以下の3タイプが、発売に前後してすぐに行政やメーカーによって回収が進められた、違法とされた蓄圧式カートリッジ使用エアガンです。

コクサイ(国際産業)
M29パワーアップマグナム
1986年の発売前に摘発。
「ミラクルカートリッジ」の名前で蓄圧式カートリッジを採用。本体は既製品であるモデルガンのM29の本体を流用し、カートリッジの後端をハンマー(撃鉄)で打撃することでガスを放出させ、BB弾を発射させる仕組み。
実包が装填されないよう、ハンマーの形状やシリンダーの構造が工夫されていましたが、実包の方も改造すればこのエアガンで発射できてしまうことがわかり、実銃と認定されました。
商品は回収され、国際産業も武器製造の罪に問われそうになりましたがそちらについては落ち度なしとして、逮捕者までは出ませんでした。

アサヒファイアアームズ
レミントン M40A1 / M700
1992年に発売。こちらはガスガンではなく、専用の手動ポンプで圧縮空気を詰める現在のエアソフトシーンには類例のない仕組みを採用したエアガンです。
コクサイの事例の反省を踏まえて、銃身が後ろに退がってカートリッジの先端を打撃する仕組みにするなどの安全策を講じ、一度は科警研も実銃には当たらないと判断したのですが…。
翌年には別の企業が通信販売でこのエアガン用の火薬入り改造カートリッジを販売。これを用いれば金属製の強力な弾を発射できてしまう事から実銃と認定され、回収されました。
火薬入り改造カートリッジの所持者などは逮捕されましたが、アサヒファイヤーアームズからは逮捕者は出ていません。

タナカワークス
カシオペア M500/SAA
2008年に摘発。コクサイのパワーアップマグナムから20年以上経過しています。
コクサイが断念した合法な蓄圧式カートリッジリボルバーを目指し、カートリッジのはしっこを打撃する仕組みにする、シリンダー内の構造を工夫する等の対策がされていましたが、日本遊戯銃協同組合(AGSK)はこれに安全認証を出しませんでした。
しかし、これに不満を持ったタナカワークスは組合を脱退して販売を強行。
警察はこれを悪質と見て、商品の回収だけでなく社長を逮捕(※送検はされず)しています。
一部のネットオークションサービスで、タナカのペガサスシステムのM500やSAAがAIに弾かれてしまう現象が起きるのは、おそらくこの商品を学習してしまっているのでしょう。
違法だったのは……ガン本体ではないか!
紹介しました3機種の摘発までの経緯で共通しているのは、ガン本体の構造が決め手となって摘発に至っていることです。
最初に「蓄圧式カートリッジという仕組み自体は違法ではない」と申し上げていました通り、蓄圧式カートリッジそのものが摘発された事はないのです。

実際、「BB弾とガスを両方入れ、直接BB弾を発射する」という部分だけ見れば、現在でもグレネードランチャーによく使われている「モスカート弾」やサバゲー用クレイモアと全く同じです。モスカート弾を持っていても逮捕されない以上、蓄圧式カートリッジを持っていたら逮捕されるという事もありません。
ガン本体に「ない」のがいけない!
しかし、最初に申し上げたように「発射に関する機能を全てカートリッジに集約」しているのなら、ガン本体にはさしたる機能はないということになります。
それの何がいけないのか、少々飲み込みにくいかもしれません。
が、何がいけないかというと、「ない」のがいけない!としか言いようがないのです。
なぜなら実銃もそうだからです。
実包には「金属製の弾」と「火薬」が入っている。
実銃本体は実包の後端を「叩くだけ」のものにすぎない。
蓄圧式には「BB弾」と「ガス/空気」が入っている。
ガン本体はそのどこかを「叩くだけ」のものにすぎない。
このように整理すれば、そこに何の違いがあるのか?実銃に近づきすぎていないかと、問われてしまうというのが、わかりやすいかと思います。
なぜそれでもエアガンメーカーは蓄圧式カートリッジを作ったのか?
ここまでお読みいただければ、もはや説明不要かもしれませんが、つまりエアガンの内部にあるギアだのバルブだのはリアルさを追求するなら何もない方が正解に近いという事です。
マニア心に必死に応えようとするエアガンメーカーが、そこに惹かれてしまうのはある意味、仕方がないことだったのかもしれませんが、アサヒファイヤーアームズの例のようにメーカーと関係ない第三者が「撃てるカートリッジ」を作ってしまう可能性がある以上、同様の製品が再度、合法的に楽しめるようになる日は決して来ないでしょう。
例外的存在・ガスシェル式ショットガン
前述のモスカート・クレイモアもそうですが「どう改造したって物理的に金属製の強力な弾を飛ばせない」と判断されている物は、現在でも合法です。
具体的には、ガスシェル式ショットガンという物がありました。
”ありました”というのは、今では新品がもう作られていないからです。
かつてはハドソンが「MADMAX」、タナカが「トレンチガン」でショットシェル型の蓄圧式カートリッジを使うガスショットガンを発売していたのですが……。
ハドソンはエアガン事業から撤退。タナカもカシオペア事件の後、警察や報道機関から誤解を受ける事を見越して自主的に製造・販売をストップしました。
ガスシェル式ショットガンについては、所持していても、中古で購入しても罪に問われる事はありません。さすがに随分前の話で、交換部品も当然ないので、ちゃんと動くかどうかは自己責任にはなりますが……。
蓄圧式カートリッジ0号とでも言うべき存在
もう一つの例外が、ファルコントーイ(日進)のS&Wハイウェイパトロールマンです。
![[ファルコントーイ] S&W ハイウェイパトロールマン 4インチ (中古) メイン画像](https://www.airgun.jp/upload/save_image/08251730_6125ffc36f9c3.jpg)


これはハンマーの打撃力をそのままカートには伝えず、内部のスプリングのロックを外すだけの機構となっており、警察からも合法との見解が出ています。
ただ、この製品は1981年の発売。そう、M29パワーアップマグナムより以前の、いわば蓄圧式カートリッジ0号とでも言うべき存在。当時は”蓄気式”と呼ばれていました。
そのBB弾発射性能はものすごく低い!!
HOPとかそういう軟弱な物が存在しないのはもちろん、初速は11m/sくらいで、飛距離は7mくらい。サバイバルゲームで言えば超超超クロスレンジ専用といったところでしょうか。
お気づきかとは思いますが、今でもBB弾ボトルを製造しているファルコントーイも、エアガン本体の製造からはとうの昔に退いていて、後継製品も存在しません。
当然、入手困難なこの品ですが、いちおう当店で買い取ってエアガン.jpで販売した例があります。

より詳しくは、ハイパー道楽さんのヴィンテージエアガンレビューをお読みいただくのが良いでしょう。
違法なエアガンを見つけたらどうすればいい?
ここからは実際に、違法な蓄圧式カートリッジエアガンを見つけてしまった場合の対処方を記載します。いずれの場合も、まずは落ち着いて
- パッケージのモデル名
- 本体の仕様や刻印
- 付属品の有無
を確認してください。SNSへの投稿はどうしてもやりたいなら全部終わってからにしましょう。
自分の持ち物として見つけた場合
気づかずに所持していた場合、別の物として中古で売られていたのを買ってしまった場合、遺品として相続してしまった場合などです。
わざとではなくても、実銃として認定されている以上、持っている事自体が違法な状態です。
迷わず最寄りの警察署へ連絡し、指示を仰いだ上で提出してください。
いきなり自分で警察署に持っていったり、他人に譲渡したりするのはやめておきましょう。
違法な物だとわかってすぐ隠したりせずに届け出し、警察に故意性はなかったと理解してもらえれば罪には問われません。
知り合い・友人・家族の持ち物として見つけた場合
この記事を見せて、所持が違法な物である事を説明しましょう。
当人がいくら「そんな使い方をするつもりはない!」と言った所で、持っている事自体が違法なので関係ないという事を明しましょう。
そのうえで上記の「自分の持ち物として見つけた場合」の対処を、自分でやるように説得してください。どうしても従ってくれない場合は、どれだけ深い絆で結ばれた相手であろうと通報してください。諦めて放置すると、あなたも犯人をかばった罪に問われる可能性があります。
リサイクルショップの店頭で見つけた場合
不特定多数の手に渡るのを防ぐのが何より大切です。
店員にその製品が違法な品である旨を伝え、直ちに撤去するよう促してください。
リサイクルショップなどでは違法な品なのに気づかず販売されている可能性があります。くれぐれも、SNSへの投稿はどうしてもやりたいなら全部終わってからにしてください。知り合いの場合と同じく、この記事を見せるのも手です。もちろん説得に従う素振りも見せないような悪質な店は直ちに110番してください。
ネットオークション・フリマアプリ等で見つけた場合
サイト運営者へ通報してください。
通報の方法はサイトによって異なります。ヘルプなどを参照してください。
コメント欄などで出品者への指摘を行い、取引を中止させる手もありますが、あなたの説得に従ってくれるにしても時間がかかってしまう可能性、従ってくれない可能性がやや高いので、運営への通報を優先した方が良いでしょう。
SNSへの投稿はどうしてもやりたいなら全部終わってからです。その投稿を見て、悪用を意図している人が購入し、間に合わず発送されてしまう可能性だってあるのです。
ショップスタッフの方:買取品として持ち込まれた・引き取った場合
独断では判断せず、専門スタッフや上長と相談の上、お客様へ返却してください。
「買取はできませんが無料で引き取って処分します」は違法です。これは「譲渡」にあたります。
違法品かどうかの判断がつかない場合は、上司や専門知識を持つスタッフ、専門の取引先業者に相談しましょう。
お客様は違法品と認識されていなかった可能性が高いので、上記「自分の持ち物として見つけた場合」の対処をしていただくよう促しましょう。
既に買い取ってしまった物の中に該当の品があった場合、は「自分の持ち物として見つけた場合」の対処を法人として行う必要があります。経営責任者にまで話を上げる必要がありますので、必ず上司に報告し、対応中は該当品を厳重に保管してください。
どうしても判別がつかない時はどうしたらいい?
お手持ちのモデルが蓄圧式かどうか、ご自身での判断が難しいときは、ミリタリーグッズ.comの「事前査定」にお任せください。
事前査定 ご利用のかんたん3ステップ
- スマホで写真を撮る
- 説明欄に「機種が判別できない」と書いて送る
- 専門スタッフからの回答を待つ(メールで届きます)
会員登録は不要、査定料もかかりません。お電話でのしつこい営業なども一切ありませんので、どうぞご安心ください。
価格にご納得いただければ、そのまま買取へ移行もOK!「これ、売れるかな?」という軽い気持ちで、まずは一度お試しください。




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