エアガンやモデルガンの法律は、趣味で楽しむ人やコレクターにとって非常に重要な知識です。
しかし、規制は年々厳しくなっており、「知らずに違反していた……」というケースも少なくありません。
この記事では、エアガン・モデルガンと銃刀法の関係、違法リスク、よくあるトラブル、そして安心して楽しむためのポイントを詳しく解説します。
銃刀法とは? エアガン・モデルガン規制の背景
銃刀法とは?
エアガン・モデルガン規制の背景
そもそも「銃刀法」ってなに?
日本では「銃砲刀剣類所持等取締法(通称:銃刀法)」により、銃や刀剣類の所持が厳しく制限されています。
この法律は昭和33年(1958年)に施行され、度重なる凶悪事件や事故を受けて、現在まで何度も改正・強化されてきました。
銃刀法の目的は、国民の武装を禁止し、社会の安全を守ること。
第一章 総則
(趣旨)
第一条 この法律は、銃砲、刀剣類等の所持、使用等に関する危害予防上必要な規制について定めるものとする。
エアガンやモデルガンも、悪用や改造による事件が増えたことで規制対象となる物があります。
エアガン・モデルガンの区分と銃刀法の基本

エアガン・モデルガンの
区分と銃刀法の基本
銃刀法でのエアガン、モデルガンの扱い
- エアガンは「威力(弾速・ジュール)」や「外観・素材・構造」によって規制されます。
- モデルガンは「金属製かどうか」「外観の色や加工」「主要パーツの素材」などが規制ポイントです。
(定義)
第二条 この法律において「銃砲」とは、次に掲げる物をいう。
二 空気銃(圧縮した気体を使用して金属性弾丸を発射する機能を有する銃のうち、内閣府令で定めるところにより測定した金属性弾丸の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。以下同じ。)
(模造拳銃の所持の禁止)
第二十二条の二 何人も、模造拳銃(金属で作られ、かつ、拳銃に著しく類似する形態を有する物で内閣府令で定めるものをいう。以下この項において同じ。)を所持してはならない。ただし、事業場の所在地を管轄する都道府県公安委員会に届け出て輸出のための模造拳銃の製造又は輸出を業とする者(使用人を含む。)が、その製造又は輸出に係るものを業務のため所持する場合は、この限りでない。
違反するとどうなる?罰則と摘発事例
違反するとどうなる?
罰則と摘発事例
銃刀法違反は重罪
銃刀法違反は重罪です。違法なエアガン・モデルガンを所持していると、以下のような罰則が科されます。
- 拳銃や違法な銃器の場合:1年以上10年以下の懲役、または100万円以下の罰金
- 事業者の場合:営業停止や許可取消、責任者個人への処分もあり
第三十一条の三 第三条第一項の規定に違反して拳銃等を所持し、又は人の生命、身体若しくは財産を害する目的で同項の規定に違反して銃砲等(拳銃等を除く。以下この項、第三十一条の五及び第三十一条の六において同じ。)を所持したときは、当該違反行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。この場合において、当該拳銃等及び銃砲等の合計数が二以上であるときは、一年以上十五年以下の拘禁刑に処する。
第三十一条の十六 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第三条第一項の規定に違反して銃砲等(拳銃等及び猟銃を除く。第四号及び第三項において同じ。)又は刀剣類を所持したとき(第三十一条の三第一項に該当する場合を除く。)。
実際の摘発事例

M29パワーアップマグナム
蓄圧式カートリッジを採用し、実弾が装填できそうな構造だったため「実銃」と認定、回収・摘発。

タナカ カシオペアシリーズ
カートリッジにガスを充填し、ハンマーで解放する方式が「実銃と同じ」と判断され違法認定。

スカイマーシャル
一見オモチャでも、シリンダーが貫通している構造のため「真正拳銃」とされ摘発。
改造・海外製品のリスクと最新の法改正

改造・海外製品のリスクと
最新の法改正
改造のリスク

- 金属パーツ(スライド・フレームなど)の追加
- 弾速(パワー)を上げる改造
- 銃口やシリンダーの貫通
これらはすべて銃刀法違反の対象です。
第三条の二 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、拳銃の銃身、機関部体、回転弾倉又はスライド(以下「拳銃部品」という。)を所持してはならない。
海外製品のリスク
- 国内基準(弾速・素材・安全マーク)を満たさないものが多い
- 「現地では合法でも日本では違法」なケースも
最新の法改正・行政動向
- 2006年の改正で初速が「6mmBBで0.98J」また「8mmBBで1.64J」を超えるエアガンは所持禁止
- 金属製ハンドガン型エアガン・モデルガンは、銃口閉塞・白色/黄色塗装など厳しい条件を満たさなければ違法
- 近年はクロスボウやコイルガンも規制対象に
(所持の禁止)
第三条 何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除いては、銃砲若しくはクロスボウ(引いた弦を固定し、これを解放することによつて矢を発射する機構を有する弓のうち、内閣府令で定めるところにより測定した矢の運動エネルギーの値が、人の生命に危険を及ぼし得るものとして内閣府令で定める値以上となるものをいう。)又は刀剣類を所持してはならない。
違法リスクを回避するための早見表

違法リスクを回避するための
チェックリスト
適合品の早見表でセルフチェックしよう!

- 主要パーツが金属製のハンドガンではないか?
スライドやフレームなどが金属製の場合は違法です。 - 弾速(パワー)は基準値以内か?
- 6mmBB弾:0.98ジュール未満
- 8mmBB弾:1.64ジュール未満
- 銃口やシリンダーが貫通していないか?
前後が貫通しているモデルは違法認定される場合があります。 - SMG・SPG・STGAマークがあるか?
これらの安全マークがあれば現行法に適合。 - 古いモデルガン・エアガンで規制前の製品ではないか?
1971年・1977年・2006年以前の製品は要注意。 - 18歳未満の場合、0.135ジュール超のエアガンを所持・購入していないか?
各都道府県の条例で販売・譲渡は禁止。
古式銃・遺品銃など特殊ケースの注意点

古式銃・遺品銃など
特殊ケースの注意点
- 古式銃:火縄銃や明治以前の銃は「鉄砲刀剣類登録証」があれば合法。登録証がなければ違法。
- 遺品銃:旧軍用銃や遺品の拳銃はいかなる理由でも所持禁止。発見したら速やかに警察へ。
- 無可動銃:拳銃型は特にリスクが高く、登録や合法性の確認が必須。
(登録)
第十四条 都道府県の教育委員会(地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和三十一年法律第百六十二号)第二十三条第一項の条例の定めるところによりその長が文化財の保護に関する事務を管理し、及び執行することとされた都道府県にあつては、当該都道府県の知事。以下同じ。)は、美術品若しくは骨とう品として価値のある火縄式銃砲等の古式銃砲又は美術品として価値のある刀剣類の登録をするものとする。
よくあるトラブル事例と防止策

よくあるトラブル事例と防止策
よくある落とし穴
- フリマアプリ・ネットオークションでの売買トラブル
規制前の高威力モデルや金属パーツ入りを知らずに売買→違法品で摘発リスク。 - 譲渡時の証明不足
証明書ややり取り記録を残さずトラブルに。 - 海外製品や中古品購入のリスク
国内規格に適合しない製品が多いので要注意。
防止策
- 売買・譲渡時は証明書や記録を残す
- 不明な点は自己判断せず、専門家や警察に相談
- 規制やルールを定期的に確認し、最新の法令を守る
よくある質問と答え

よくある質問と答え
Q1. 金属製のモデルガンはすべて違法?
A. 銃口閉塞・白/黄色(金色)塗装・SMG/STGAマークがあれば合法。条件を満たさないものは違法。
Q2. 古いモデルガンやエアガン、違法かどうかわかりません。
A. マークや仕様を確認。不明な場合は専門店や警察に相談。
Q3. メルカリやフリマアプリで売ってもいい?
A. 知識がないまま出品すると違法品売買のリスク。専門店利用を推奨します。
Q4. 違法品を持っていた場合の罰則は?
A. 拳銃や違法な銃器の場合は1年以上10年以下の懲役・100万円以下の罰金。
Q5. もし違法品の疑いがあったら?
A. 速やかに最寄りの警察署や専門業者に相談。自己申告で処分が軽減される場合も。
困ったらまず専門店に相談

困ったら、まず専門店に聞くのがオススメです!
よく分からないエアガンやモデルガンをお持ちの際は、自己判断で処分や売却をするのではなく、まずは専門店へご相談ください。
必要に応じて警察への相談が必要となるケースについても、専門スタッフが丁寧にご案内いたします。
まとめ

まとめ
エアガン・モデルガンは正しい知識とルールを守れば、安全に楽しめるホビーです。
- 最新の法令や行政指導を定期的にチェック
- 不明な点は自己判断せず専門家に相談
- 売買・譲渡時は証明を残し、違法リスクを回避
この記事のチェックリストとFAQを活用して、安心・安全なトイガンライフをお楽しみください!
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