電動ガンの話になると「メカボックス」「ギア」「ピストン」など、専門的な言葉がよく出てきますよね。
聞き慣れない名前ばかりで、なんだか難しそう…
でも、電動ガンの“心臓部”であるメカボックスは仕組みを理解すれば意外とシンプルなんです。
メカボックスの中の動きを理解することでカスタムや修理、そして自分に合ったモデル選びがぐっとスムーズになりますよ。
今回はメカボックスの基本構造や主要パーツの役割を初心者の方向けに解説!
メカボックスとは?
メカボックスとは、電動ガンの本体ともいえる重要な部分で「BB弾を発射する仕組み」そのものを担う装置です。モーターの力を変換して空気を圧縮、BB弾を発射するまでの一連の動作を内部で完結させる、電動ガンの仕組みの中心的なパーツです。
仕組みを簡単に言えば、トリガーを引くとスイッチが作動してモーターが回転し、その動きがギアを介してピストンに伝わります。ピストンが後退するとシリンダーに空気が溜まり、同時にノズルがBB弾をチャンバーへ送り込みます。ギアが一定量回転したところでピストンが解放され、スプリングの力で前進。圧縮された空気がノズルを通って押し出され、BB弾が発射されます。
このように、メカボックスは「モーターの回転を空気の圧力に変換し、BB弾を飛ばす」という一連の動作を担っており、まさに電動ガンの“心臓部”と言えます。
メカボックスの3つの要素
メカボックスの中身は、大きく分けて3つの要素でできています。
ひとつはモーターの回転をほかのパーツに伝える「伝達」。
もうひとつはピストンやスプリングを使ってBB弾を飛ばす「発射」。
そして最後にトリガーやスイッチでモーターを動かす「制御」です。
これら3つの仕組みがそれぞれ別々に動いているわけではなく、うまく連携しながらBB弾を発射する動作を完成させています。
さらに、それぞれの動きを補助するパーツもあり、メカボックス全体でひとつの精密な仕組みとして成り立っています。
1. 伝達(ギア)

モーターの回転をメカボックス内の動きへと変換しているのが「ギア」です。
一見どれも同じに見えてしまいそうですが、実はギアにもたくさん種類があり、それぞれ違う役割を持っています。
メカボックスの中では「ベベルギア」「スパーギア」「セクターギア」という3つのギアが組み合わさっていて、モーターの回転をピストンの直線運動に変える仕組みになっています。
このギアの動きがスムーズであるほど、ピストンの動作や給弾のタイミングも安定し、発射のキレやレスポンスにも影響してきます。
2. 発射(ピストン・シリンダー・スプリング)

BB弾を実際に飛ばす力を生み出しているのが「ピストン」と「シリンダー」です。
ピストンはギアによって後ろに引かれたあと、スプリングの反発力で一気に前に押し出されます。その勢いでシリンダー内の空気が圧縮され、ノズルを通してBB弾が発射されるという流れです。
さらに、発射をサポートする部品として「タペットプレート」があり、BB弾をチャンバーへ送り込むタイミングをコントロールしています。
こうしたパーツがきれいに噛み合うことで、安定した動作と確実な発射が実現しています。
3. 制御(スイッチ・トリガー)

トリガーを引くと「スイッチ」がモーターへの電流をコントロールします。
一般的なメカボックスでは、金属の接点を押し込むことで通電させる仕組みになっており、セミオート射撃では「カットオフレバー」が作動して1回のトリガー操作で1発だけ発射されるようになっています。
この仕組みによって、トリガーの動きと発射がしっかり同期し、違和感のない射撃動作が可能になっています。
電動ガンがBB弾を発射するまでの流れ
以上までの解説を踏まえた上であらためて、トリガーを引いた瞬間からBB弾が発射されるまでの間、メカボックス内部での連動をおさらいします。
ここではセミオート射撃時の動作を順に追いながら、電動ガンの発射メカニズムを見ていきましょう。

トリガーを引くことでスイッチが作動し、モーターへ電流が流れます。

モーターが電流を受け、回転を始めると
その力はまずベベルギアに伝わります。そこからスパーギア。
最後のセクターギアへと伝達していきます。

セクターギアの歯がピストンを引っかけて後方へ引くと同時に、タペットプレートを介してノズルも後退させます。
ノズルが後退することで、チャンバーが一瞬開いてマガジンからBB弾が送り込まれます。
このときスプリングが圧縮され、伸びようとする力が蓄えられます。
※安全のためスプリングは外してあります。




ギアが一定量回転すると、カットオフレバーが作動してスイッチの電流を遮断。
セクターギアの歯がピストンから外れるタイミングに合わせて、モーターの回転が止まります。


このころにはシリンダー内は空気で満たされています。
圧縮されていたスプリングが一気に解放され、ピストンが前方へ勢いよく押し出されます。
ピストンがシリンダー内の空気を押し出すことで、内部の空気がノズルを通ってBB弾に伝わり、圧力によってBB弾がチャンバーから発射されます。
※安全のためスプリングは外してあります。
つまり、電動ガンの発射は
「トリガーを引く→モーターが回転→ギアが連動→ピストンが動く→空気でBB弾を飛ばす」
という一連の流れによって成立しており、その装置こそがメカボックスなんです。
主要パーツの役割を解説
メカボックスの中では、複数のパーツが緻密に連動しながらBB弾の発射を実現しています。ここでは、その中でも特に重要な「ギア」「ピストン」「スイッチ」それぞれの役割を見ていきましょう。
ギア|伝達装置
メカボックスの中心的な構造は、複数のギアが噛み合うことで成り立っています。
主に「ベベルギア」「スパーギア」「セクターギア」という3種類が組み合わさり、モーターの回転をピストンの直線運動へと変換しています。


ベベルギアはモーターの小さなピニオンギアと垂直に噛み合い、回転方向を変えてスパーギアへ力を伝えます。


スパーギアは中継役として回転を滑らかにセクターギアへと伝達します。


セクターギアは歯が円周の一部にだけ刻まれており、その動きでピストンを後退・解放させる重要な役割を担います。
これら3枚のギアが噛み合って動くことで、モーターの回転が射撃動作に変換され、電動ガンは安定した駆動を実現しています。
ピストン|発射装置
ギアが回転の力を伝える役割を持つのに対し、実際にBB弾を飛ばしているのはピストンを中心とした空気圧の仕組みです。
この部分では、「シリンダー」「スプリング」「ノズル」「タペットプレート」といった複数の部品が連携しています。

シリンダーは空気をためる容器のような部品です。

ピストンはその中の空気を押し出す役割を担います。

スプリングはピストンを前進させる力を生み出し、解放された瞬間に空気が一気に押し出されます。

ノズルはその空気をバレルへ導くと同時に、マガジンから送られてきたBB弾をチャンバーに押し込む働きをします。

セクターギアの動きに合わせてノズルを前後させるのがタペットプレートの役割で、これによってBB弾がスムーズにチャンバーへ送り込まれ発射準備が整います。
これらが一体となって動くことで、1回のトリガー操作ごとに確実にBB弾が発射されるのです。
スイッチ|制御装置
トリガーを引くと、メカボックス内のスイッチが作動してモーターへ電流が流れます。
このスイッチ系統にはいくつかの補助パーツがあり、動作の安定やセミ・フルオートの切り替えを支えています。

トリガーはスイッチを押し込み、電気を通してモーターを動かすための起点となる部品です。

スイッチはトリガーの動きを受けて通電を制御し、バッテリーからモーターへ電流を流します。

カットオフレバーはセクターギアの回転に連動してスイッチを切り離し、セミオート時に1発ずつ確実に発射できるよう制御します。

さらにセレクタープレートがカットオフレバーの動作範囲を切り替えることで、セミオートとフルオートを選択できる仕組みになっています。
制御パーツがしっかり連携することで、ただモーターが駆動しているだけでは出せない精密な動作が可能になっています。
メカボックスを分解する前に注意すること
まず始めに、メカボックスの分解、電動ガンの分解はあまり推奨されていません。
それでもカスタムや、自身での修理などで開けてみたくなることもあると思います。
ですので、ここではメカボックスを分解するときに注意するべき点を解説していきます。
スプリングの飛び出しに注意
ピストンを押し出すスプリングには発射動作中でなくとも、ある程度のテンション(伸びようとする力)が加わっています。
不用意に分解するとスプリングだけでなく、スプリングガイドと呼ばれるパーツが勢いよく飛び出してきて危険なので、必ず注意してください。
開けるときにはメカボックスの後方から見えるスプリングガイドを押さえつけておくと比較的飛び出しにくくなります。
実はメカボックス内には小さなスプリングも入っていて、そちらは紛失してしまいがちなので飛んでいかないように注意しましょう。
細かいパーツの紛失に注意
メカボックスの中には先ほど解説したパーツの他にもそれぞれのパーツの動きを補助する細かい部品が沢山使われています。
どれも非常に見失いやすいので分解する際には必ず部品を入れておく容器などを用意しましょう。
断線に注意
メカボックスからは、バッテリーにつながる線とモーターにつながる線が飛び出しています。
この線をむやみに扱うと接点から外れて通電しなくなってしまったり、ショートや感電の危険も…
優しく扱うようにしましょう。
ギアの位置ずれに注意
こちらは分解時の注意点ではなく組み立てるときの注意点なのですが、ピストンとセクターギアが噛み合うか確認してからメカボックスを閉じましょう。
実は、メカボックスとギアの間には小さな輪っかのようなパーツが挟まっていて、それがなくなるとギアが噛み合わなくなったり、スムーズな動きを失ってしまいます。
しっかり噛み合うか確認した後はどちらも噛み合っていない状態にしてから組み上げてください。
ピストンとセクターギアを中途半端な位置で噛み合わせたような状態で組み上げてしまうと破損などの事故につながる恐れがあるので注意して組み上げましょう。
実際にあけてみる
自分の手で開けてみたい、自分の目で見てみたい…
そう思っている方向けに、ここではメカボックスを完全に分解するのではなく、”中身を見てみる”ことを目的とした分解を解説します。
解説に使う電動ガンはAPS製のM4、AR-15型の電動ガンです。
※こちらは内部構造の理解を目的としたもので、完全分解や改造を推奨するものではありません。
※分解を行う場合は自己責任で、安全を最優先にしてください。
作業に取り掛かる前に

バッテリーは必ず取り外してください。
感電や誤動作と言った事故によるケガなどのリスクがあります。

作業には、ドライバーや六角レンチ、プライヤー、長めのプラスドライバー、ハンマーなどがあると便利です。特に長いプラスドライバーは、奥まったネジに届くので用意しておくと安心です。
グリップとモーターを取り外す


グリップの底のネジを外してモーターが見えるようにします。


モーターに繋がっている配線を抜きます。

モーターが取り外せるようになるので、引き抜きます。

グリップは本体側にネジで固定されていますのでネジを外します。


グリップを引っ張ると外れます。
配線が通っているので無理な力を加えないようにしてください。
レシーバーからメカボックスを取り外す


ストックを取り外します、線を引っ張らないように気を付けてください。

ストックチューブ奥側のネジを外します。
かなり奥まった位置にあり、見えずらいのでネジの頭をつぶさないように気を付けましょう。


レシーバー前側のピンを外して上側の外装を取り外します。




ロアレシーバーの各種ピン、ネジを取り除きます。
※リア側はダミーの場合があります。


セレクターを大体このくらいの角度にします。
メカボックスを前方に引き抜くと外れます。
メカボックスを開ける

ノズルが右側に来るように置いて、ネジを外していきます。

この時も内部のスプリングにはテンション(伸びようとする力)が掛かっているので飛び出さないようにメカボックスを押さえながらネジを外します。

ノズルがある方の反対側からスプリングガイドが見えるのでそれを押さえながら開けます。

ここまで分解すれば中身を見ることができます。
メカボックスを閉じるときは先ほどの手順を後ろからなぞるだけです。
触ってみたいけど不安…
ここまで読んでくださった方の中に「自分でも触ってみたいけどちょっと不安かも…」と感じた方もいるかもしれません。
電動ガンの内部はとても精密で、ほんの小さなズレや部品の破損でも動かなくなることがあります。
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よくあるQ&A
Q. メカボックスって自分で分解してもいいの?
A. 分解は可能ですが、内部は非常に精密なので初心者の方にはおすすめできません。バネの飛び出しや配線の断線など、想定外のトラブルが起こりやすいです。
Q. メカボックスを開けたら保証はなくなりますか?
A. 多くのメーカーでは、分解を行うと保証対象外になります。保証期間中は必ずメーカーや販売店に相談しましょう。
Q. ピストンやスプリングは交換すると威力が上がりますか?
A. ある程度は上がりますが、法定初速を超える改造は違法です。安全基準を守りつつ、適正なカスタムを行うようにしましょう。
Q. 電動ガンの処分方法は?
A. 電動ガンを処分する場合は自治体のルールに沿って「プラスチック・金属ごみ」として分別するのが基本です。内部にバッテリーやモーターがある場合は取り外してから出しましょう。
もし買い替えで捨てるなら、次の資金ができる専門店での買取がおススメです!
まとめ
いかがでしたか?
今回は電動ガンの“心臓部”ともいえるメカボックスの仕組みや構造を中心に、発射までの流れをじっくり解説しました。
普段は見えない内部ですが、実はモーター、ギア、ピストン、スイッチといった多くのパーツが緻密に連動して、1発のBB弾を飛ばしているんです。
こうして構造を知ると、「動かなくなった電動ガンも、もしかしたらちょっとした原因かも?」と思えてきますよね。
実際、動作不良の多くはメカボックス内のパーツ摩耗や配線の断線などで、修理や調整で復活することもあります。
とはいえ、自分で開けるのはハードルが高い……そんなときは、無理せず専門店に相談してみるのもおすすめです。
そして、もし長く使っていない電動ガンや、壊れて眠っているものがあるなら、そのままにしておくのはもったいないかもしれません。
メカボックスの状態やカスタム内容によっては、動かなくても買取できるケースもあります。
パーツ単位でもしっかりチェックしてもらえるので、「どうせ壊れてるし…」と思わず、まずは一度査定に出してみてはいかがでしょうか。
次回はメカボックスの中でも特に重要な「ギア」「ピストン」「スイッチ」それぞれの役割や違いをさらに詳しく掘り下げて紹介します。
構造を理解すると、カスタムやメンテナンスの面白さが一段と増しますよ!
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