
トイガン(遊戯銃・玩具銃)は、あくまで「おもちゃ」として作られた物ですが、形や仕組みによっては、真正拳銃=本物の拳銃と同じという扱いになり、買ったり持っていたりすると犯罪になってしまうことがあります。
昨年は、UFOキャッチャーの景品として使われていた輸入品の玩具銃が、真正拳銃として取り締まりの対象になった事が大きなニュースになりました。

また、先日にはNHKクローズアップ現代でも取り上げられました。
- 「こんな100均にもありそうな物が、まさか本物の銃だなんて!」
- 「プラスチック製で、子供に遊ばせても大丈夫そうな見た目なのに、一体どうして?」
- 「なぜそんな危険な物が海外からノーチェックで入ってきちゃうんだ!けしからん!」
- 「知らないだけで他にもそういう品物がウチにもあって、ある日突然、警察に捕まるのでは!?」
と、疑問や不安を感じた方も多いのではないでしょうか?
この記事では、こうした真正拳銃などの取締り対象になるトイガンをまとめて違法トイガンと呼び、エアガン・モデルガンの買取専門店を長年運営するベテランスタッフが、
合法トイガンと違法トイガンの見分け方をお教えします。
※本記事で使用する画像の一部は、銃器に関する法律の遵守を広く啓発することを目的として、警察等の公的機関より公開されている資料より抜粋して使用させていただいております。
ニュースになった景品は一体どこがダメだったの?

図のように、弾倉(シリンダー)から銃身(バレル)まで、完全に突き抜けている構造が問題とされたようです。
さらに、薬莢(いわゆる銃弾のような形のもの。実際には弾のケース)側にも発射する仕組みがあり、本体側もその仕組みを動かせる仕掛けがあったのが大きなポイントでした。
見た目は関係がなかったのです。
実銃に近い仕組みがリスクに
実はこの仕組みは、本物の銃のメカニズムとほとんど同じです。 そのため、悪意を持って改造すれば本物の銃弾が撃ててしまう恐れがある違法トイガンとなりました。
話題になった製品は元々は「REAL GIMMICK MINI REVOLVER」という名前で、外国でおもちゃとして普通に売られていたもので、決して「本物の弾を撃ってやろう」という目的で作られたり輸入されたりしたわけではありません。
一方、海外の事情をご存知の有識者の方から「プラスチックの強度では、アメリカで普通に流通している拳銃弾を、発射する時に銃内部に発生するエネルギーを受け止められないはずだけどなぁ?」と疑問の声も上がっていました。
ただ、日本の警察は市民の安全を守るために、銃の取り締まりを世界でもトップクラスに厳しく行っています。 警察としては、たとえおもちゃであっても、悪意のある人が「これならワンチャン本物の弾が撃てるかも!」と考えてしまう、そのわずかな可能性すら見逃さないほど、安全を第一に考えて判断したのだと思われます。
同じ理由で違法トイガンになっている物が他にもある
実は過去にも、これと似た構造やコンセプトの製品がいくつか日本に入っており、Amazonなどの大手通販サイトでも販売されていた事がありました。しかし、そのほとんどが今回と同じように警察の取り締まりの対象となってます。

左が現在、警視庁が特に重点して警戒している、同様の理由で真正拳銃として取り締まられている違法トイガンです(17番目が今回ニュースになったもの)。
これらは、どこからどう見ても子供用のおもちゃにしか見えないものではありますが、それでも持っているだけで犯罪になります。
今回、ニュースになった物は昨年の12月31日まで「回収」、つまり「今まで知らずに持っていたら、警察の方で預かるから持ってきてね」という対応がされていました。
しかし2026年現在すでに「取締」つまり「持っていたら逮捕する!」対象になっています。
ウチによく似た物があった! どうしたらいい?
まずは落ち着いて、本当に上の説明のような構造かどうかを確認しましょう。
あくまでポイントは見た目より構造にあります。BB弾を発射する物や、小さな火薬で音と火花を出すだけの物は、見た目がよく似ていても別物です。
回収の期限が過ぎてしまった以上、正式に「銃刀法」という法律に違反した扱いになります。
ただ、警察は現状では持ち主が違法品と知らずに持っていたなら「被疑者」として捕まえるよりも、現物の回収を優先する方針であるとのことです。

ただ、これはあくまで「知らずに持っていた」場合で、回収が進んでいないための一時的な措置だと思われます。
「うっかり忘れていた」「面倒なので後回しにしていた」では済まされませんので、なるべく早く正直にお近くの警察署に申し出てください。
自主減免制度を利用しよう
ただ、日本には「自首減免制度」というものが存在します。
これは、自ら進んで品物を提出し、正直に事情を話して捜査に協力することで、刑が軽くなったり免除されたりする仕組みです。
「これで人生終了だ……」なんて、そこまで絶望的に考える必要はありません。状況によっては法律のプロである弁護士さんに相談してみても良いのではないでしょうか。
SNSのデマや不正確な報道に注意
SNSでは「テロリストが蜂起するためにわざと仕入れたのだ」「これはヒットマンの使い捨ての武器なのだ」といた陰謀論めいた話が飛び交っています。
しかし、前述の通りこれは海外では玩具として普通に流通しているもので、単純に輸出入に関わった方々の日本の銃刀法への知識不足・勉強不足で起きた事態です。
必要以上に警戒心や怒りを煽る投稿を煽る投稿には惑わされないようにしてください。
また、冒頭で挙げたクローズアップ現代を始めとした報道機関各社の報道もいささか不親切だなというのが正直な感想です。
報道の内容だけだと、あたかも外国で普通に流通している弾薬さえあれば発射できるかのような印象で、ただちに私たちの日常に銃撃の恐怖が迫っているかのように思えてしまいます。
しかし、公開されている動画を見る限り、警察も発射する時に銃内部に発生するエネルギーを抑えた特殊な弾薬を使って実験しているようです。この弾薬は世界中どこにも流通しておらず、非常に高い技術を持つ犯罪者が日本にいれば作れるかも?というお話になります。
回収が進んでないのは由々しき事態ではありますが、こういった違法トイガンを使った銃撃事件が今後たくさん起きるぞ~~、というような事態とは考えにくいです。
他にもある違法トイガン
具体的には、
- BB弾を発射する力が強すぎるもの
- ほとんど金属製で、黒や銀やカーキといったリアルな色のもの
- 薬莢に直接ガスを充填する「蓄圧式カートリッジ」のもの
が違法トイガンとなります。
これらについては以前に投稿した記事にて詳しく解説しておりますので、併せてそちらもご覧ください。
違法トイガンを知らずに買ってしまわない方法
こうした違法トイガンを間違って買ってしまわないには、どうすれば良いのでしょうか?
信頼できるブランドの物を購入しよう
日本のトイガン業界には、日本遊戯銃協同組合(AGSK)と全日本トイガン安全協会(STGA)という2つの自主規制団体があります。
AGSKには東京マルイなどの、日本国内でトイガンを製造している有名メーカーが名を連ね、STGAにはハッチ(Carbon8)など海外で主流になっているCO2ガスガンを日本の銃刀法に適合させる試みを行っているメーカーが名を連ねています。
まずはこれらの団体に所属しているメーカー・流通業者の製品であるかを確認するのが近道です。

ただ、この方法ではモデルガンブームを支えながらも廃業してしまったメーカー(東京CMC、MGC、コクサイ、ハドソン産業 等)の品まではカバーできません。
また、いま最も盛んにエアソフトガンを製造・開発しているのは台湾です。日本のトイガンメーカーは全体的に新しい製品を作っていく力が弱まっており、アメリカ民間銃市場の最新の流行を取り入れたり、形状的にイチからの設計となるような銃の新規トイガン化などは、どうしても期待しずらい状況にあります。
個人輸入品は買わない
Amazon海外版やAli Expressなどの国際ECでの個人輸入、という手を思いつく方もあるかと思いますが、違法トイガンとして摘発された物の多くはこのルートで日本に入ってきた物です。
少し前から国際ECの起業がブームになっています。ブームに乗っかって輸出入を始めたけど、発送先の国で違法かどうかなんて知ったこっちゃないという無責任な販売者、商品個々の遵法性なんていちいち勉強してられないという無責任な輸入者がいるのが実情です。
こういう所に問合せて「大丈夫な物ですよ」と言われたとしても法的なリスクを負うのはあなたです。信用しない方が良いでしょう。
オークションサイトでは買わない
そうして日本に入ってきてしまった違法トイガンが、メルカリやヤフオクで販売されている事が少なくありません。Amazonや買取専門店の審査が厳しくなって流れてきたものでしょう。
確かに安さは大きな魅力ですが、自分自身で充分なエアソフトガン・モデルガンの知識を持っているという、わかっている人以外はオークションサイトでの取引はしない方が良いでしょう。
エアガン・モデルガン専門店で買おう
- どうしても台湾の最新トイガンが欲しい!
- 往年の名メーカーの品物をコレクションしたい!
という人は、確実に合法トイガンを扱っているエアガン・モデルガン専門店から購入するようにすることです。
専門知識が備わった専門店であれば、違法性のリスクや過去の事例などを参考に仕入れを行っていますので、違法品を手してしまうリスクは格段に少なくなります。
ただ、こうしたショップはお客さんの「欲しい」気持ちに寄り添いすぎるあまり、リスクのある商品を取り扱っている可能性もなくはありません。
今回、信頼できるショップを厳選しましたので、下記のリンクを参考にあなたの好みの品を取り扱っている所を探してみましょう。
手前味噌になりますが一応!

おわりに
「わかっている人」にみんながなれるのなら話は簡単なのですが、銃を模した物である以上、どうしても基準が複雑化してしまっており、おいそれとはいかないのがトイガンです。
どうしてもわからない場合は、上に紹介した専門店や買取店に確認してみるのも良いでしょう。
法律をしっかりと守って、楽しいトイガンライフを送りましょう。
参考ページ

技術的な背景をより詳しく知りたい方には「ハイパー道楽」さんの記事がオススメです。





コメント