1968年、日本のトイガン文化が生み出した究極のメカニズム、「ブローバック」。
いかに安全に、かつ実銃のようなリアルな作動を再現するか。
そこには、メーカー各社の技術者たちが挑んだ情熱と試行錯誤のドラマが刻まれている。
今回は少しディープなモデルガンの世界をしっかり解説。
日本のモデルガンには長い歴史があり、発火方式も幾多の進化を遂げてきた。
ここでは時代を築いた代表的なシステムを解説。
黎明期を支えた荒々しきパイオニア

オープンデトネーター方式(1968年~・MGC)
日本のブローバックモデルガンの「原点」。
銃身内に固定された撃針(デトネーター)と、前方が開いた「オープンカートリッジ」を使用する。
メカニズム
コブラキャップ等の輸入火薬や平玉火薬をセットしたカートがデトネーターに激突して発火。
燃焼ガスとカート内の圧力がピストンのような働きをし、スライドを強烈に押し戻す構造。
構造が単純なためカートが安価で管理も簡単。
しかし、爆発ガスが銃身内に直接吹き出すため、とにかく汚れる!
こまめな清掃と調整スキルが求められる、まさに「玄人好みのじゃじゃ馬」だ。
CV式によるBLK
後に複燃焼室を持つ「CVカートリッジ」が登場し、メンテナンス性が劇的に向上した。
現代のマスターピース

【閉鎖型カートリッジ方式 / PFC・CP-BLKなど】(1980年~・マルシン工業)
1980年のマルシン工業「PFC(プラグファイアーカートリッジ)」登場以降、現代モデルガンの主流として君臨し続ける完成されたシステム。
メカニズム
カートリッジの内部に独立した「可動式ピストン」を内蔵。
火薬の爆発力をカート内部で受け止め、ピストンが伸長することでスライドを駆動させる構造。
爆発力を内部で完結させるため気密性が極めて高く、現代のキャップ火薬でも力強く安定したブローバックを実現。
銃身内に汚れが吹き出しにくく、連続発火の安定性とメンテナンスの容易さはピカイチ。
1発あたりの単価が高いのが玉に瑕だが、その価値は十分にある。
夢のハイブリッド、火薬とガスの二刀流

【スーパーブローバック方式】(1993年頃~・マルシン工業)
「火薬」と「ガス」のいいとこ取りを狙った、マルシン工業の野心的な機構。
メカニズム
発火(音と火花)はカート内の火薬で演出。
一方、スライドの作動(後退)はマガジン内の低圧ガス(フロンガス)で行うという驚きの二刀流機構。
火薬のパワーを作動に回す必要がないため、「極小の音で、激しいブローバックを楽しむ」といった独自のチューニングが可能だった。
構造の複雑さから現在は絶版となっているが、その画期的なアイデアは今もマニアの語り草だ。
さらなるロマンを求め・・・

【ガスオペレーション方式】(ハドソン産業)
M1ガーランドなどのダイナミックな動きを再現するために採用されたロマン溢れる機構。
メカニズム
なんと火薬を一切使わず、グリーンガスなどの力のみで動作。
実銃のガスオペレーション機構を模した部位に直接ガスを送り込み、重厚なメカを駆動させる。
重たいライフル用の遊底をガンガン動かすパワーは圧巻の一言。
火薬を使わないためカートリッジをリアルに作ることができ、結果として実銃さながらの鋭く美しい排莢(エジェクション)を再現できるのが最大の強みだ。
眠れる名銃、次世代のオーナーへ。
「昔ガンガン発火させて遊んだ、傷だらけの相棒」
「もったいなくて一度も火薬を入れられなかった、未発火の箱入り娘」
それぞれのモデルガンには、オーナーが共に過ごした時間とドラマがある。
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