田中木工時代から実銃・モデルガン用の木製ストックの製造を手がけていたタナカワークスの制作する、三八式歩兵銃の発火モデルガン。
モデルガン草創期に中田商店の名義で販売されていた品を引き継ぐ形で、タナカ名義では1985年7月中旬に発売された事が「月刊Gun」のバックナンバーで確認できます。
伝説のモデルガンデザイナー六人部登氏の設計でもあり、もはやこれ自体が歴史深いとも言える製品です。
実銃の三八式歩兵銃
旧日本軍の顔役とも言えるボルトアクション式小銃。有坂成章氏の開発した三十年式歩兵銃を元に、日露戦争の戦訓を取り入れる形で南部麒次郎氏が中心となって開発。明治38年(1905年)に制式採用されました。防塵用の遊底被や先が尖った三八式実包が採用され、青島の戦いから第二次世界大戦後の警察予備隊まで長きに渡って使用され、日本の国産銃としては最多の約340万挺が作られた記録が残っています。戦時中は日本だけでなく満州の奉天や朝鮮の仁川でも生産され、戦後も独立を図る東アジア圏の各勢力が独自に改良・生産を続けていたようです。英語圏では有坂成章氏の名を取ってArisaka M1905、Arisaka type 38などとも呼ばれます。
「菊の御紋」が入っているため、現場では緊張感を持って扱われていたようで、従軍経験者のご老人に三八式のエアガンを待たせると急に背筋が伸びてシャンとしたという事例があるほどです。
帝国陸軍の存在した時代を描くほとんどの作品に登場し、近年では「ゴールデンカムイ」で孤高の山猫スナイパー尾形百之助の愛銃として有名です。
製品の特徴
元々、木工製造業からスタートしたタナカの品だけに、木製ストックの仕上げは抜群の美しさです。ストック部が2つの木材を合わせてあるなどマニアックなところまで余さず再現されています。機関部は亜鉛合金製で、現在の物はおなじみのタナカ・ワークスのマークが刻印されています。
原料の高騰により2025年時点では新品で10万円を超えてしまう高級品ということもあり、実際にやる人はあまりいないかもしれませんが、7mmキャップ火薬発火仕様です。
リアルサイズではないもののカートリッジ5発+装填子(ストリッパークリップ・カートクリップ)付で、実銃通りのリアルなボルトアクションを楽しむ事ができます。
さらにコッキング音をリアルにするための遊底被(ダストカバー) や、中田商店仕込みの革製スリングなどが純正オプションとして販売されている他、 旧マルゴーの社員が立ち上げた「Take Five」が空撃ち用のダミーカートを作っています。
BB弾の発射が可能なペガサスシステムガスガン、ストックと機関部の仕上げがパワーアップしたビンテージブルーフィニッシュ、グレースチールフィニッシュといったバリエーションがあります。
エアコキではKTWやS&Tも出ていますが、より本物感を求める人には選ばれている品です。
モデルガンは銃身に改造防止用のインサート(金属の板)があったり、銃刀法に適合している証としてSMG刻印があったりするので見分けるのは難しくないでしょう。
買い取りのポイント
元々の価格が高い上、どうしても生産数が限られているので、状態を問わず買取金額はある程度以上が狙えます。販売期間は長いものの、どの時期の物も普通以上に貴重な物です。古い物はストックを亜麻仁油で磨いたり、金属部分をブルーイング加工などすれば状態を保つ事ができます。
スリングやダストカバー、スペアカートリッジ、三十年式銃剣レプリカなどについても合わせてお送りいただければ、それぞれお値段付けさせていただきます。
亡くなったご家族の大事なコレクションとして発見される事も多い品です。遺品買取・出張買取の経験豊富なエアガン・モデルガン買取専門店がお薦めです。
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