創設以来ほぼ歴史的なモデルのエアコッキングガン専業で、岩手県花巻市で活動を続ける孤高のメーカー・KTWの制作する三八式歩兵銃。
2002年から2025年まで15ロットにわたって作り続けられている製品で、ロットごとに改良が繰り返されています。2015年からは同様の仕様で三八式騎銃も作られています。
実銃の三八式歩兵銃
旧日本軍の顔役とも言えるボルトアクション式小銃。有坂成章氏の開発した三十年式歩兵銃を元に、日露戦争の戦訓を取り入れる形で南部麒次郎氏が中心となって開発。明治38年(1905年)に制式採用されました。防塵用の遊底被や先が尖った三八式実包が採用され、青島の戦いから第二次世界大戦後の警察予備隊まで長きに渡って使用され、日本の国産銃としては最多の約340万挺が作られた記録が残っています。戦時中は日本だけでなく満州の奉天や朝鮮の仁川でも生産され、戦後も独立を図る東アジア圏の各勢力が独自に改良・生産を続けていたようです。英語圏では有坂成章氏の名を取ってArisaka M1905、Arisaka type 38などとも呼ばれます。
「菊の御紋」が入っているため、現場では緊張感を持って扱われていたようで、従軍経験者のご老人に三八式のエアガンを待たせると急に背筋が伸びてシャンとしたという事例があるほどです。
帝国陸軍の存在した時代を描くほとんどの作品に登場し、近年では「ゴールデンカムイ」で孤高の山猫スナイパー尾形百之助の愛銃として有名です。
製品の特徴
日露戦争直後に東京造兵工廠製で生産された初期のモデルを再現しており、銃床には当時と同じ国産オニグルミ木材、バットプレートには岩手特産の南部鉄器を使うというコダワリぶり。ボルトハンドルなど主要な動作部分は鉄製で、コッキングすると「チャキーン」とリアルな音が。菊の御紋などの刻印ももちろん本物そっくり、同じくKTWから出ている樹脂製ダミーの三十年式銃剣などの着剣もできるなど、実銃再現の面では外観にもメカニックにもまったく隙のない品です。
可変ホップアップ機構も採用されており、マルイの0.25gBB弾基準で出荷時に調整済み。当然、現代的な光学機器なんか付けられるワケもないのですが、アイアンサイトだけで命中精度は天下一品です。
第11ロット以降はレシーバー、トリガーガード、ホワイトメタル部分が亜鉛ダイキャスト化。残った樹脂の使用部もポリカーボネイト・ABS製に改められ、第12ロット以降は亜鉛ダイキャスト部が黒染め仕上げとなっています。
KTWの他にタナカワークスがガスガン・モデルガンを出していますが、これに負けず劣らずのデキです。
買い取りのポイント
基本的にアップグレードする方向で使用変更が繰り返されている商品なので、新しいモデルの方が高額の買取となり、表記は第12ロット以降前提の物となります。とはいえ、物価が安かった頃のロットでも定価が定価なので、状態がよければある程度の買取価格は期待できる品です。最近では台湾のS&Tもエアコキで廉価に三八式歩兵銃を出しているため、リサイクルショップなどでは見分けがつかないという理由で買い叩かれてしまう事もあるようです。販売期間が長く、亡くなったご家族の大事なコレクションとして発見される事も多い品です。遺品買取・出張買取の経験豊富なエアガン・モデルガン買取専門店がお薦めです。
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